TIMERS復活おめでとう
2010年7月 5日(月) post @ 04:08 PM
2005年3月4日のmixi日記より転載。
THE TIMERSが10年ぶり、一夜限りの復活をした。
連日行われるライブのシークレットゲストとして登場したらしい。 ちなみに私はこのライブの最終日のチケットは持っている。最終日にもとんでもないゲストが控えている。
だけれど。
TIMERSが観たかった。
5日のゲストだって、両足切断されたって会場まで辿り着いてやる!と思わせるようなゲストだ。だからこの日のチケットがヤフオクにて異常な高騰を見せたが、買った。定価の8倍を超える値段がついたりするケースもあった。それでも買ったのは、やっぱり、
ライブというものには値段がつけられないから。
後に映像化されようがMP3をネットでバラ巻く奴が出てきようが、「ライブ」は金で買えない。瞬間は金で買えない。
去年、白ビル送りされた時、持って行ったiPodでTIMERSを聴いた。
閉鎖病棟だったから自由に行動出来る範囲が極端に狭く、自分の病室から見える風景が世界の総てなんじゃないかと思う程だった。女性患者同士と言えども、他人の病室に入るとこは基本的に禁止されていた。そのくらい毎日毎日、患者が暴れてもちょっとやそっとじゃ割ることが出来ず、かつ、わずかながらにしか開けない、そんなガラス窓越しの同じ風景だった。
でも、喫煙所から見える風景は、違った。
私の病室から見えるのは、山と遠くに点々と在る小さな家の風景だった。それが変わって、喫煙所から見えるのは、新しい病棟を建設している風景だった。朝には朝礼でラジオ体操をし、夕方になると何やらまた集合して解散する土木作業員たちを見ていると、「TIMERSがここに来てくれたら、どんなに楽しいか」と思うようになった。
そのうち喫煙所にiPodを持って行き「不死身のタイマーズ」を聴きながら、口元が緩まる音楽鑑賞をした。心の中で「突然彼らが現れて『障害者と健常者』でも一発きめようものなら、あいつらは驚いて警察に電話をかけるんだろうな」とか「警察が来るまでの間に『トカレフ』演奏してやれ!」なんて想像し始めると、脱力しきった諦念ムードから確実に救われた。
「万一自殺しても、こんなとこじゃ絶対に死にたくねえよ」と、早く脱出することを考えるようになった。
私がよく喫煙所にiPodを持ち込んでいることに気がついた患者さんから、「夏頃までは喫煙所にラジカセ運んで、みんなで音楽聴きながら笑ったりして盛り上がってたんだよね。でも、今は禁止になっちゃった。騒ぎ過ぎてうるさかったんだろうねぇ、楽しみがないんだから、そのくらいはいいじゃないかと思うんだけれどね」と言われた。
TIMERSはここに来なきゃいけないと思った。
「もう、死にたくないですか?本当に死にたいと思いませんか?」
面談の度、尋ねてくる主治医。
「全く思いません。本当に思いません。死にたくなんかないです」
私はそう答えた後、脳内で「ここでは死にたくねえ、おめえらなんかには殺されたくねえよ」と吐き捨てる。
そのかいあってか、入院計画書に記載されていた治療期間より大幅に短い時間で退院することが出来た。私はもう、あのガラス窓越しからの風景だけしか見えないんじゃない。本物のTIMERSだって見ることが出来るんだ。それは私があそこから飛び出したということ。
だから、あのライブを観たかった。
